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おすすめフランス映画『おとなの恋の測り方』。障がい者って本当は何だ?

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http://otonanokoi.jp/
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私の夫は車いす。「障がい者」です。
誰もが障害があってもなくても同じ『人』として意識していると思うのですが、本当にそうかどうか?
人の心理ってすごく面白いです。

我が家はアマゾンプライムに入っているので、無料映画で面白そうなものがあったらお休みの日に見ています。
今回見た『おとなの恋の測り方』は映画としても障害という題材を扱ったストーリーとしても私にとって興味深い映画でした。

2017年のフランス映画です。アマゾンのあらすじにはこのように書かれてます。

敏腕弁護士ディアーヌは仕事のパートナーで、3年前に離婚した元夫とオフィスで会うたび喧嘩ばかり。ある日、アレクサンドルという男性から彼女の携帯を拾ったとの電話をうける。知的でユーモラスな話に魅かれたディアーヌは、彼と会うことに。ドレスアップし、期待に胸を膨らませた彼女の前に現れたのは、自分よりもずっと身長の低い男性だった。落胆する彼女だったが、茶目っ気たっぷりのアレクサンドルにいつのまにか魅了されていく。リッチで知的で才能あふれる建築家の彼とデートを重ね、惹かれていくディアーヌ。ただ、どうしても身長差が気になってしまう。果たしてこの恋の行方は…?

単純に背の低い男性とキャリアのあるバツイチ弁護士女性とのラブコメと思って観はじめたのですが、違うんです。
背の低い男性の身長は136センチ。単純に背が低いのではなく、脳下垂体の異常が原因のいわゆる障がい者でした。

アレクサンドルはリッチな上にユーモアのセンス、建築家としての才能、そして他者への気配りや品位のある言動。
素晴らしい人格者なのです。すべてが本当に完璧。
でも、身長が136センチ。

そんな彼に出会った、バツイチのディアーヌ。
魅かれつつも、彼女はどうしても”彼の身長”が引っかかる。
だって、多くの女性は背が高いスマートな男性が好きでしょ。
ディアーヌも見た目から入れば、多分、却下してしまう相手なんですよ。
でも、アレクサンドルを知れば知るほどディアーヌは彼に魅かれていきます。

アレクサンドルとの関係が続く中で周囲の反応が面白い。
男性が低身長であるってことの世間の目は、世界中同じなんですね。

低身長であることを茶化したり、馬鹿にしたりする風潮はむしろ、背が高い人が多い欧米の方が酷いのかな~。
辛辣なことをはっきり言うフランス人ですが、ハッキリ言いすぎて返ってユーモアを感じるというのが不思議だし、感情をそのままに表現できる自由があるような気もします。
日本だと、、「障がい者と見ると、腫れ物のように接する」といいますか…。

とにかく、背が低い男性はコンプレックスを感じさせられる社会がある。
そして、キレイな女性を連れて歩く背の低い男性を妬む男の嫌らしさったらないですね。。。

しかし、アレクサンドルの素晴らしいところは、身長をコンプレックスとはせず、その障がいをバネに自分のキャリアをきちんと形成し、人として品位ある言動をしていることにあります。
彼を知っている人は彼を障がい者としてみなすことなく、敬意をもって当たり前に人として接しています。
彼を低身長のコンプレックスのある障がい者としてはもう見ない。
それは特に彼の息子との関係から解ります。息子にとってのアレクサンドルは尊敬できるすばらしい父なのです。

それは彼を知るほどに魅かれていった、ディアーヌも同じです。
でも、彼女の心が決まりかけたとき、2つの葛藤が彼女を迷わせます。

一つの葛藤は、『周囲の目』です。
友人や元夫からどう思われるか、両親から何と言われるか、そのことによってアレクサンドルを傷つけることがあったらどうしようか?そんな人との関係での不安で一杯になる。
彼女の継父は聴覚障がい者。それでも、彼女の母親の偏見というか、、それもチョイと酷かった。
しかし、そんな母親に対して一括する聴覚障害のある継父のセリフが良かった。
「私も障がい者だ!君の心の中に障害がある!」と怒るのです。
ハイ!その通りです。

もう一つの葛藤はディアーヌ自身の持つ、『男性に対する理想像』と彼とのギャップ。
やはり、彼女も背が高いハンサム男性が理想なんです。

でも、「人としてのアレクサンドル」を本当に愛するようになった自分に気づくことで解決します。

フランス映画なので、結婚というより、生涯を共にする…という表現が映画の中ではされていましたが、結婚とか生涯を共にするのは、自分が愛している「人」とするものであって、自分の「理想像」とするものではないでしょ。理想と離れていったら、、どうなるの?
それは、理想的な男性と結婚した”自分”が好きなだけなのではないかと私は思うんです。

そして、私がこの映画を「興味深い」と思えたのは、彼女の葛藤が解るから。
「障がい者」と結婚するってどうなんだって話です。
私の場合、夫に出会ったときから、あ、この人歩けないんだな。とは思いましたが、それ以上のことってあんまり考え無かったんです。まあ、彼の車いすに慣れるには少し時間が掛かりました。
車に乗るにも、積むにも時間が掛かるし、行ける場所と行けない場所、出来ることと出来ないことがあるしね。。。
それでも、不思議なことに最初から「障がい者」だという意識はあまり持ちませんでした。
意識するようになったのは、他の人に彼について話さなければならなくなった時。

ええ、『世間の目』に気を使わなければならなくなった時、改めて感じました。
人によってはハッキリ言いますよ。「え~!なんでそんな障がい者と?」って。
まあ、はっきり聞いてくれるので答えますけど。
「好きだからです!」ってね(笑)

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『おとなの恋の測り方』この映画は、障がいがあろうが無かろうが、自分の「愛する大切にしたい人」と一緒に生涯を過ごすことを選ぶ…という単純な結論に行きつくハッピーエンドな映画でした。
主演のジャン・デュジャルダンは『アーティスト』でアカデミー賞を取った俳優さん。
シブくてカッコいい。素敵でしたよ。
撮影はやはり、彼をちっちゃく加工したようですね…(笑)
それに、フランス語ってやっぱりキレイですね。

障がい者との恋愛という凄くデリケートなストーリーをとてもユーモアあるエンターテイメントに仕上げたこの映画はおススメです。

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