北欧家具が日本で有名になり、人気がある背景には、織田憲嗣氏の影響があると思います。
高島屋の宣伝部から、デザイン事務所を経て、近代の家具研究に取り組み、北海道東海大学芸術工学部教授になり、そして現在はご自分で設計した北海道の素敵な森の中のご自邸で暮らしておられるそうです。
織田氏の椅子のコレクションだけでなんと、1,350脚~!!!
北欧家具を集め、そして研究、保存をしてきた世界に誇るべき凄い人なのです。
この、織田邸をテレビで一度見たことがありまして、強烈な印象が残っているのです。
それから織田邸がずっと気になっておりました。
そしたら、この前書店で見つけたのです。
こちらの本を!!!
織田邸 家具・生活・空間 世界一の家具コレクションがつくり出す、小さな場の連 (住総研住まい読本) [ 織田邸出版委員会 ]
これは買っておくべし!と購入したところ、表紙以上に中身がすごい。
部屋の細部や、何が置かれているのか、椅子から家具から陶器からガラス製品、照明器具に至るまで、詳細に掲載されているのです。
本のカバーの裏側には部屋にしつらえられた家具に番号が振られていて、家具のデザイナーと名前と年代が記載されています。
良いなと思った家具が誰によって、いつ造られたかがわかるようになっているのが面白いところ。
織田氏が近代のデンマークの家具を買い始めてから、1980年代に入ると、当時の素晴らしいデザイナーも職を離れ、多くが廃れてしまった過去のものとなりつつあったそうです。
今のうちに保管しなければ手遅れになると織田氏は危機感を感じたそうです。
今となっては、彼がデンマーク家具を救ったと言っても過言ではありませんね!
織田邸には織田氏の好きな家具たちが一杯に部屋の中に収められています。
そして、家の造り自体も素晴らしいのです。
我が家も冬の寒さが心配でしたので、高気密高断熱の家を選びましたが、、
織田邸は気温がマイナス20度にもなる北海道旭川。
やはり、家の建て方にも徹底したポリシーがあり、超高断熱仕様のコンクリートブロックで作られています。
なんと、壁は2重壁、内側に厚さ20cmのブロック、外側に8cmの断熱層と2cmの空気層、その外に厚さ10cmのブロックを積みトータル40cmの壁。
窓ガラスはトリプルガラス仕様です。
ですから、結露は全く無いそうです。また、随所に床暖房を配置してあるそう。
床材なども凝っていて、一つ一つの部屋が素晴らしいのです。
そして、どの部屋も落ち着く雰囲気。寒い冬に暖かい室内から外を眺めながら、ゆったりと過ごせそうな心地よいしつらえです。
家具の平面図を作り、使いたいと思う家具を建物の平面図に配置して家の設計をしただけあって、すべてがしっくり収まっています。
織田邸は家具ありきの家とのこと。そりゃそうですよね。
そうじゃなきゃ家具コレクターになんかなっていませんものね。
以下のサイトに織田邸の一部が掲載されていますので、見てみると良いと思います。
ちょっとした小物一つ一つもすごく素敵なんですよね~。
私も欲しいわ♪
家を建てて新しい家具を入れようとすると、家具選びって楽しい反面、悩むところ。
そこから、いろんな家具を見て廻って、そして北欧家具に辿り着く人も多いようです。
やはり、現代に使いやすいデザイン性と、かといってモダン過ぎないフォルム、木の質感はぬくもりを感じさせますし、多くの椅子は軽くて使いやすい。
織田邸の家具と小物の配置、照明器具など見ていると今から家を建てたいと考えている人やインテリアのアイデアが欲しい人への参考になる要素が沢山詰まっています。
家づくりに行き詰まったら、家具に生涯を費やした織田氏の自邸を覗いてみては???
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