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フィレンッェ・ウフィッツィ美術館 in 車いす

世界の名所と美術館
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ウフィッツィ美術館は二度目。
前回は2009年6月。
どこもそうですが、行くと何かしら変化しています。
色んな所が奇麗になっていきます。バリアフリー化も進んで、私たちのように車いすでの旅行は、しやすくなるという事なのですが、正直、私個人的にはちょっぴり残念。

なぜかと言いますと。昔ながらのままを見たいのです。古びたままを見ると、時代を直に感じられてちょっとタイムスリップした気分になれるでしょ。
もちろん、当時のままに保存するように努力されているのは解るんですけどね、、アレ、、前はもっと古びていい感じだったのに~小ぎれいになっっちゃったわね。と寂しくなるのです。

前置きが長くなりましたが、二度目の『ウフィッツィ美術館』です。

ええ、前も何かしら修復が行われていましたが、私たちが訪れた3ヶ月ほど前に新しい出入口がオープンし、奇麗なエレベーターが出来ていました。
しかし、一部は工事中で、足場などがありました。まだ、完全に完成はされていないようですので、ご注意ください。

前と同様、勝手知ったるって感じで、美術館入口のスロープを上がります。
前回は、妻が日本人だというダンディなイタリアン男性が日本人を見かけたら親切にしてあげたいそうで、サッと近寄ってきて入り口まで車いすを押してくださったのですよ。
もう、そんなダンディな夫を持つ日本人妻が羨ましくなったのは言うまでもありません(笑)。

しかし、、こちらのエレベーターは古いので、車いすが一杯になるから、チケットだけ受け取って新しい入口へ行ってくださいと言われます。
だから、こちらの古いエレベーターでも入館は出来るのでしょうけど、今回は新しい方へ。
しかし、順路が逆になるので、出来れば、古い入り口から入った方がよいと思いました。

ウフィッツィ美術館は長いコの字の建物。アルノ川側へ行きますと、ポンテヴェッキオ橋を渡って、ピッティ宮殿まで続く「ヴァザーリの回廊」を眺められます。


建物の左翼と右翼、そして日本で言う、2階と3階に展示室が並びます。

いつも解りにくい説明なので、持ち帰った現地パンフレットの写真を撮ってみました。
1階と3階部分の写真です。黄色い丸印のところがエレベーターです。
イタリアは日本でいう1階がGROUND FLOOR 。2階が1ST FLOOR、3階が2ND FLOOR。

エレベーターは3か所用意されているようです。
新しい入口とエレベーターは向かって右側、シニョーリア広場側にオープンしていました。
オレンジの矢印の所です。そして入ったら右手奥に新しいエレベーター。

ここを、2ND FLOOR(3階)へ上がりますと、まずカフェに到着。ここのカフェもとてもきれいでおしゃれになっていて、向かいに見える「ドゥオーモ」を眺めつつ一休みができます。
トイレもここに身障者用が用意されていますから、最初に行っておくと安心。
カフェを通り抜けると、もう一度昇降機で階段5段分くらいを降り、日本で言う3階(2ND FLOOR)の通路に出ることができます。

ワタクシ、入口もカフェの先にあった昇降機も写真撮ってません。写真を撮り忘れるのです。
役立たずで申し訳ありませんが、書かないよりまし?
車いす情報って本当に少ないので、私のこの文章で少しでもお役に立てられるならと書いています。夫のように一歩も歩けない人にとって、このエレベーター情報って凄く助かるんです。
このカフェだけ、展望スペースが有るためか、フロアに段差があり昇降機が設置されていますが、他にこうした段差がある場所はありませんからご心配なく。

ウフィツィ美術館は改装され新しく増設された部分があったり、展示の仕方も変わっていました。
本来の入り口から入ると部屋番号順に見れたのですが、途中に出てきてしまい、逆走する形になったので、とにかく見たいものを見るに徹しました。

ボッティチェッリの春やヴィーナスの誕生などの有名どころをお見逃しなく。
当時の絵画で宗教画ではなく、難解な寓意話の絵画って凄く珍しいと思うんです。
そして、ボッティチェリの描く女性の顔立ちがちょっと好みです♪

しかし、、、今回これらは飛ばしてしまいましたの。
前回見落としたカラバッジョを見ようと思いまして!
カラバッジョの絵が掛けられている部屋も壁が新しくなり、ええ、防犯センサーの反応が凄く良いです。近づきすぎ注意です!

イサクの犠牲。聖書の中の話の一場面です。やはり、西洋絵画を見るときは、聖書中の物語を一通り知っておくと何を描いているかわかりますね。
ギリシャやローマ神話もです。まあ、宗教は歴史の中で切っても切れない関係ですから、歴史を含めて知っておくと良いんですよね。

そして”バッカス”です。本当にうまい。本当に緻密な写実です。なのに、なんだかおもしろさを感じてしまうのです。だって、古代ギリシャの彫刻のバッカスって、ムキムキ彫刻が多いのに、カラバッジョのバッカスは丸顔の男の子…。ボルゲーゼ美術館の”病んだバッカス”も不思議だった。

それから、”メドゥーサ”。

ガラスに反射してうまく撮れませんでした。ペルセウスの盾に映ったメドゥーサの首をそのままに描いています。どうして、この盾に写ったものを絵画にしようと思ったのだろう?カラヴァッジョに聞いてみたい。しかし、いい面白い構図です。我が家の玄関にも魔除けに一つ…なんてね。

この展示もガラスケースに浮かせて展示されていて、こうした展示方法は凄く良くなっています。

他にも、普通は壁側になり見ることが難しいものも、ガラスケースに入れて絵画の裏側を見ることができるようになっていたりしました。

それから、大好きなミケランジェロの作品。
ミケランジェロのこうした小さな絵画作品はあんまりない。
本人も彫刻家で画家ではないと言いつつ、これだけのものを描くってどんだけ天才なのか。
私の写真の腕は悪いですが、この絵を見ているとピシッとピントが合っているんですよね。ダ・ヴィンチとは違って、ラインがピシッとしている。
バックに描かれるお約束の裸体な方々がすこしぼやけて描かれているのもあるからかな。
とにかくこの絵は目に焼き付く美しい絵なのです。

そして、ダ・ヴィンチ。

ダ・ヴィンチも天才ですが、彼は中々の野心家でもあるところがちょっと好きではないところ。
頭が良すぎるといいますか、、、天然の天才の方が好きと言いますか。

書きかけの絵画を見るのは面白いです。筆跡やデッサンの跡を見られるので、画家の手法を盗み見してるみたいです。本当にダ・ビンチのデッサンは凄い。やはり、観察眼が鋭いのですね。

そして、ウフィッツィ美術館で好きなところは、通路の天井のフレスコ画。
怪物だったり、変な生き物、武器とかありとあらゆるものが描かれています。
凄く独特な感じがするのです。「ウフィツィ美術館」の最大の特徴だと思うんですよね。
テレビなどでパッと映ってもコレが目に入るからすぐに解る。
こうした天井の装飾が通路の天井一面に描かれているのです。建築物の天井の装飾ではこのウフィッツィ美術館の装飾が一番好き。

中世の絵画は不気味な感じがあり、それはそれで楽しめるのですが、やはり芸術的というより宗教色が濃い。しかし、ルネッサンス期に入ると宗教ありきではなくなって、美術芸術と昇華してどんどん美しくなる。ルネッサンス黄金期よりちょと前のフィリッポ・リッピとか、ボッティチェッリはまだ油彩ではなく、テンペラ画で色合いも違います。ですが、このなんとも言えない沈んだ色合いが清楚な感じがするのです。
ウフィッツィ美術館はこのちょっと前の画家たちのテンペラ絵画をたくさん見れる貴重な場所です。

二度見ても、また見たいと思う。さて、三度目はいつかあるかしら?

出るときは、最初に乗ったエレベーターからではなく、反対側、地図上では左のエレベーターから降りて出ました。入館時に利用したエレベーター以外はスタッフに聞いて案内してもらうシステムになっているようです。
私たちも、ここ以外のエレベーターはスタッフに案内してもらい利用できました。
パンフレットをよく見ると、”Disabled exit, please ask staff for assistance”と書かれています。
まあ、車いすで困った風にキョロキョロしていれば、スタッフが何かしら声を掛けてくれると思いますから、心配ありません。

フィレンツェはまだまだ見どころが一杯!次はミケランジェロ!
前に行けなかったところに潜入です!

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