わが家に全巻ある唯一の漫画。今のところ、全9巻。
”ほしよりこ”さんの『今日の猫村さん』。マガジンハウスね。
毎日1ページずつの連載漫画。
これだけはずっと読んでいるのです。毎日1ページの方じゃなくて、1巻出るごとにね。
新しいのが出てたら、いつの間にか夫が注文してくれている。
しばらくしても読まないので夫に聞かれる。
「まだ、読まないの?」
私、「ウン。もったいないからまだ読まない。だって、すぐ終わっちゃうんだもん。」
読んで楽しみがすぐ終わるのがもったいない。だから、2、3日我慢してから読む。でも、ものの10分くらいで終わっちゃう。
「あ~、もう終わったぁ。。もったいない。」
初めて読んだ時から、もうめっちゃくちゃ大好き。
”ぼっちゃん”との再会を夢に、ひた向きに頑張る猫村さんに励まされる。
昭和な香りをプンプンさせつつ、”ぼっちゃんといつか会うために家政婦になる”という猫としてはあり得ない設定のお話。
その努力の甲斐あって、家政婦としては非常に素晴らしい働きをしていて、結果、みんなからとても愛されている。
よく”奥様”から意地悪をされるのに、それに気づかずにむしろ”奥様”を労わる。
必死で努力する姿に「ああ、私も頑張らなくちゃ」って思える。
人の心の掴みどころってそれぞれ違いますが、私の場合、”動物モノ”に非常に弱い。
猫だって頑張ってるから私も頑張らなきゃ!と思うのはバカバカしいという人もいるかもしれないけど、猫だからこそ私には「グッ」っと来る。
”ほしよりこ”さんのこの鉛筆で描かれる猫のしぐさが優しくてかわいい。
多分、猫村さんは私にとっての自己啓発本なんです。
世間には『自己啓発本』ってゴマンとあって、、ものすごい勢いで売れる本がありますよね。心理・哲学的なものから宗教的なものまで。
嫌われる・・・幸せに・・・。アドラー云々。もちろん、いい本だと思います。でもね、これで皆が幸せを掴んで生きれるようになっているのかは疑問。
だって、何年後かにはまたこういった本が出てきては売れる。(売れてる本に一通り目を通す読書家は別ですが。)
結局は誰かの言うとおりにしてみれば、自分の人生が良くなるかもしれないという幻想で終わるか、読んで満足して自分の中にある問題を徹底的に追及はしないで目をつぶってまた暮らす。。の繰り返しなのか。
自分には合っていないと自己啓発本ジプシーしながら悶々とするのか。。
いつまでも、生き方が全然定まらず不安が鬱積していく。
偉そうなことを言いつつ、20代から30過ぎまで色々と読んでたな~。
心も病んでいましたし、若かった。
どうしたら不安な心が落ち着くのか判らなくて、片っ端から色んな本読んだり、人に相談したりしてた。
でもね、考えてみると若い時はいつも人の言う事や人の顔色が気になってた。今は気にしないって事ではないのだけども、当時は、”気”に仕方が違ってた。自分を気にしての”気”。何がそんなに気になるのかというとまず一つは自分に自信がないという事。それから、誰かに依存して物事を考えてたと思う。
自分で決めてないから誰かのせいに出来ちゃうわけ。自分は悪くないって、言い逃れできる。
誰かが認めたからとか、誰かがこう言うから、ではなく自分がどう考え、どうしたいかを自分の責任で決めることが出来ていなかったのね。
でも、人は自然と大人になってそれが出来るようになる。もう、一端の社会人のくせに親や誰かの意見や判断を聞かないと不安って人は、自分はおかしいと気づいたほうがいい。
もちろん、誰かを傷つけたり心配させてはいけないから、そういう意味で気にかけて判断を仰ぐとか相談するとか報告するとかは必要だと思います。
でも、その相手の反応や感情に一喜一憂するほどに気にさせられて、自分の判断が鈍るなら、それはその”誰か”の方がオカシイ場合が多い。
そういう人からはちょっと距離を置くという判断を自分ですべきかもしれない。
猫村さんは捨て猫だった。だから、誰も頼れなかったのね。
でも、そこを拾ってくれた優しい”ぼっちゃん”が唯一の恩人なわけ。ここから決してブレずに生きているから、猫村さんは幸せなのよね。”ぼっちゃん”から受けた優しさを大切に心に澱みなく生きいて目標がある。
だから、他の人の目を気にする前に自分のやるべきことをしっかり見据えている。
笑われても関係ないし、意地悪されても悪くとらない、そして達成したいことにひたすら励む。
もの凄く心の強い猫なわけ。
私も大切な人、事、モノ、がはっきりしてきたら、自分が何をしたらよいか、すべきか、何を選ぼうか、すぐ答えが出るようになった。自分で答えが出たら、不安って消えるのよね。
幸せ~になるには自分の目標や目的にしっかり気づくことの方が早道ね。と思う。
なおかつ自分で決めたことへの責任は自分がとればいい。というか、取るべき。
ただ、若いころに不安を抱いて悩み、考え、本をたくさん読むことは必要な過程なんですよね。迷いから一杯本を読んで、哲学的なことも知る機会があった事は自分の資産になっていると思う。その時に理解できなかったいろんなことが、年を重ねて経験してジワ~っとわかるようになる。
そしたら、ちょっぴり自分も大人になったなぁって思う。。
つまりは、”おばさん”になったのだな…。いい年をとろう!
そういうことで、今の私の『自己啓発本』は猫村さんです、というお話でした。
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